10. 父と日本の尺八制作者との文通

父は学者タイプでしたから、常に尺八をどうやったら改善できるか考えていました。穴を開けるのには、技術が要りますからね。しかも元々は節のある一本の長い竹だったものに、正確な音程が出るように正確な位置に穴を開けるのです。それで(問題があると)「ラの音が少しフラット気味になっています」、などと(日本の尺八作りに)手紙を書き送っていました。すると先方の奥さんから返事が来て曰く「夫は非常に忙しくて貴方様にお返事を書くことが叶わずにおります。尺八の穴の 修正で忙しいのです!」と。これは可笑しかったですね!でもそんなふうにやり取りをしながら、やがて音が調整されて行きました。そして、ここが私の父らしいのですが、楽器を改良することが彼のゴールでもあったのです。箏なら、糸を切ることができますから問題ないのですが、尺八となると穴を正確に開けるのは一発勝負です。

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