- K – Kayoko Wakita
- K
- 収容所を出て来たのちの、我々への弾圧はすごかったです。戦争に行った人たちも復員してきた頃で、彼らは私たちに対しての憤りがあったんですよ。つまり、彼らは自分の民を守るために戦争に行かなければならなかった。その一方で私たちは敵国民の風貌をしているということで収容所送りにはなったものの、今やそこから出てきてメインストリームに入らんとしていたわけでしょう。ですからね、交通機関に乗りますよね。すると襲われるとまでは行かないまでも、叩かれたりして、それも誰がやったかわからないんですよ。あるいは押されて席を追い出され、そこに座られてしまうこともありました。こういうことがあっても、苦情を訴える場所がないのです。もし苦情を言おうとしても誰も聞いてくれません。私たちが敵国民のような顔をしているから、知らん顔ですよ。みんな私たちを憎んでいました。